「目的のない雑談」が苦手な人に足りない、ワーキングメモリーとは。
アスペルガーの恋愛事情⑤
雑談ができない…。そんな理由で恋愛から遠のいてしまっていたり、人間関係に疲れてしまうあなた。もしかしたらアスペルガーかも? そこで「雑談が苦手なのはスキルが不足してるだけなんです」と語るのは、自身も自閉症アスペルガーの症状に悩んだ経験を持つ、発達障害カウンセラーの吉濱ツトム氏。同氏・著『隠れアスペルガーでもできる幸せな恋愛』では具体的な改善方法も紹介している。
目的のない雑談ができない…。
頑張って異性にアプローチしてもなかなか会話がはずまず、気まずい沈黙が続く……こんな経験のある人も多いでしょう。これは、雑談のスキルが不足しているだけです。
恋愛における会話は、ほとんどが目的のない雑談です。恋愛に限らず、すべての会話の9割くらいが実は雑談なのですが、それでも仕事上の打ち合わせなどであればまだマシです。話す内容や目的がだいたい決まっていて、自分の経験や専門知識を使って答えることができるからです。
実際、僕の来談者の中には、電話オペレーターをしているアスペルガーの女性が何人もいます。顧客からの質問やクレームに応える仕事ですが、その内容はパターンがだいたい決まっており、回答はすべてマニュアル化されています。話すべき内容と目的がきっちり決まっている場合は、アスペルガーであろうとソツなく会話できるのです。
数少ない友達との会話も同じです。アスペルガーの人は、共通のマニアックな趣味を持っているアスペルガー同士で友達になることが多いものです。